数学者はキノコ狩りの夢を見る
BSでやっていた面白いドキュメンタリーを見た。
20世紀初めにフランスのアンリ・ポアンカレによって提唱された予想を100年目にして見事証明して見せたロシアの28歳の天才数学者の話。
ポアンカレ予想=『「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」という予想』
この証明が出来たら、宇宙の形の謎に迫れるというものらしい。
…さっぱり判らん…。
この証明が出来たら、数学のノーベル賞とも言われるフィールズ賞が間違いなく取れると言われてきて、100年の間、多くの数学者が挑戦して証明できずに死んでしまったり、あきらめたりしたという曰く付きの世紀の難問。
この問題のためだけに一生を捧げた天才数学者もいたらしい。(結局最後まで解けずに癌で死んでしまった)
それほどの問題だが、このロシアの数学者(ペレルマン)は、2002年にひっそりとインターネットに証明の解答を載せていたという。
最初、数学者達はまさかこんな答えが出ているわけがない。いままでも解いたと言って間違っていたのはいっぱいあったからそのウチの一つだろうくらいに高をくくっていたらしい。
で、試しに検証してみると、論理の飛躍や破綻がない。
おりょ?ってんで4年かけて検証したら、どうやら本当に証明されているらしいということで、数学界はてんやわんやになった。
そりゃそーだ。ほとんどノーマークの無名の数学者(とはいえロシアではトップレベルの数学者なので、無名ではないか)がひっそりと世紀の難問を解いていたのだから。
そしてほとんどの数学者がこの予想の証明には一般出来な手法であると信じていたトポロジーを使ってポアンカレ予想を解こうとしたのに対し、ペレルマンは微分幾何学と物理学の手法を使って解いてみせた。そのため、解の説明を求められてアメリカの壇上に立ったペレルマンの解説を聞いた数学者達は、「まず、ポアンカレ予想を解かれた事に落胆し、それがトポロジーではなく微分幾何学を使って解かれた事に落胆し、そして、その解の解説が全く理解できない事に落胆した」という。なお、証明には熱量・エントロピーなどの物理的な用語が登場する。
つまり、今までこの問題の証明に人生を捧げてきた数学者には解を見せられても何の事やらさっぱり判らなかったということで、そりゃ屈辱的だっただろうなあと思う。
そして、その後が凄い。
この人は、フィールズ賞の受賞を辞退し(賞金100万ドル!なのに…)、ほとんど人との交流を絶って、研究所も辞めて、無職になって故郷でキノコ狩りをしているという。
以降、一切の消息を絶っているのだ。かなりこの辺サスペンスな香りがする。
その話のドキュメンタリーは面白かった。現実にこういう世界があるんだなあと思った。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/071022.html
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